いろいろな加工法

二台の携帯側面

精密機器の部品のカットにも使われるスリット加工ですが、同じように巻き出しと巻き取りを行う加工には他の方法もあります。
いくつかを紹介していきましょう。

リング刃を用いてスリット加工をする部分に加圧ローラを設置し、製品に粘着フィルムを合わせて加圧ローラにかけると、ラミネート加工ができます。
A4サイズなどは家庭やオフィスでもラミネート加工が可能ですが、長大な長さの製品をラミネート加工する場合は工場で行う必要があります。
ラミネート加工した製品をそのままスリット加工までしてしまう、ということもできます。

巻き替え加工では、製品を巻き出したあと、またすぐ別のリールなどに巻き取ります。コアを変更したい場合や、表裏を逆にしたい場合、それから不良部分がないかどうかのチェックのために行われます。

断裁加工では、スリット加工とは逆で、巻き出した製品に横からカッターを入れ、シート状に加工していきます。例えばこれで、正方形の製品を大量に作ることができます。

その他のカット方法

携帯電話側面

スリット加工には、細かく分けるとまだまだたくさんの種類があります。

通常のスリット加工では手が届かない薄さまでカットするのが、マイクロスリットです。
最小で0.3mmもの薄幅にカットすることができ、とにかく細い製品が欲しいという場合に活躍します。精密機械などの部品にも使うことができるでしょう。

その逆で、広幅スリット加工というものもあります。
切り裂いて分けるのではなく、二つの製品をくっつけてつなげてしまうという加工で、2,500mmまで幅を作ることができます。ここまで太いと重力の問題が発生し、高度な技術を必要とします。

ドライエッジスリットは、セロハンテープや両面テープなどの粘着テープをカットする時に役立ちます。
普通にスリット加工するだけなら、糊が端の方に少しはみ出してしまうことがあり、製品の仕上がりに影響してしまいます。実際に並んでいる製品を手に取ると、安いものは側面がベタベタしていることがあります。
ドライエッジスリットはスリット加工しながら横にはみ出る糊を処理するので、側面のベタベタをなくすことができます。

粘着テープの加工に役立つものに、ハーフスリットというものもあります。
粘着複層品、つまりベースとなるシートがあってそこからシールを剥がして使うタイプの製品の中に、ひとつのシートから複数のシールが剥がせるものがあります。
これは、ハーフスリットによってシール部分のみをカットしているから実現している製品なのです。下のシートを傷つけることなく上のシールだけをカットする精密さが必要となります。

種類

携帯の画面

ここから、スリット加工にはどのような種類があるのかというのを紹介していきます。

基本となるのは絶縁材スリットです。
PET、各種フィルム、紙や粘着テープなど、さまざまなものをカットします。通常はただの空調ルームにて行われますが、異物混入を特に心配する場合は、クリーンスリットといって、クリーンルームにおけるカット作業になります。この場合、クラス5,000程度のクリーンルームが使われます。

クラス1,000のクリーンルームを使うのは、液晶ディスプレイの内部部品や、銅箔、電極材をスリット加工する時です。
プラズマディスプレイパネル、携帯電話のプリント基板に使う部材など、精密機器に必要なものは高度に洗浄された部屋でないと行えないわけです。
リチウムイオン電池に使われているセパレータフィルム(正極と負極を分離(セパレート)し、ショートを防ぐためのフィルム)のスリット加工は、クラス10,000のクリーンルームで行われます。